こんにちは、アサヒコミュニケーションズです。
みなさん、『リスキリング』をご存じでしょうか?
近年、世界の企業が注目しているキーワードであり、Google検索件数も急上昇しています。
今日は「リスキリング」についてご紹介しようと思います。
「リスキング」とは?
テクノロジーの進化でさまざまな業務プロセスが自動化し、これまでになかった価値を生み出すことが求められるなか、その過程で起こると予想される失業に対し、リスキリングは解決策の一つとして注目されています。
経済通産省の審議会で発表された資料では、リスキリングは以下のように定義されています。
「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」
リスキリングは、「新たにスキルを身につけること」とされ、特に社会人の転職やキャリアアップの文脈で用いられる傾向にあります。2020年1月に開催された世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)においても、WEFが「リスキリング革命」を推進すると表明したことで、欧米のみならず日本でも注目を集めるようになりました。
リスキリングへの誤解
●リスキングはOJTの延長ではない
日本企業が得意としてきた「OJT (On-the-Job Training)」はどう違うのでしょうか。
OJTは、社内の「いまある」部署の「いまある」仕事を通じて、やり方を覚え、スキルを獲得してもらう教育です。これに対し、リスキリングは社内 に「いまない」仕事、「いま、できる人がいない」仕事のための新たなスキルを獲得することです。リスキリングを始めるにあたり、経営者に求められることは、これからのデジタル変革にあたって自社で必要となるスキルを洗い出し、いま社員が持っているスキルとのギャップを一気に埋めるプログラムを用意することです。
●リカレント教育・生涯学習とは違う
リスキリングと類似した概念として、「リカレント教育」や「生涯学習」などが挙げられます。どちらも、学校を卒業した人間が何かを新たに学ぶという意味では共通しています。しかし、リカレント教育が「教育→就労→教育→……」のように、教育を受ける期間と就労する期間を繰り返すことが想定されているのに対し、リスキリングは基本的にある企業に属しながら新たなスキルの習得を目指すことが想定されている点に違いがあります。リスキリングは、職から離れて学びに専念するわけではありません。
●リスキングは単なる”学び直し”ではない
スキルアップは、今持っているスキルを引き上げること。リスキリングは、今持っているスキルを磨き続けながら、+αの新しいスキルを身につけること。『A』から『A’』への変化がスキルアップだとすると、『A』から『A’+α』という変化がリスキリングです。
リスキングに注力する世界企業
Walmart
世界最大の小売りチェーンWalmartは、VRを駆使したリスキリングを実施しています。
VRで行っていた教育の1つが、カスタマーサービスやフロントラインの従業員トレーニングです。
まず、自分たちが接客側としてどういう視点でお客様や売り場を見ているのかをVRを使って分析します。そして分析結果から新たな課題点を見出したり、「こういう場合はこうしなければならない」などの実体験をVRで実際に従業員自身が擬似体験をして、そこから学びを深めていくようなバーチャル研修を行っているようです。
Amazon
EC企業の最大手であるAmazonは、2025年までに自社の従業員10万人に対してリスキリングを行うと発表しました。
非技術職はソフトウェアエンジニアになるための基礎知識を、技術職はAIや機械学習の知識のを、それぞれ習得することを目指しています。一人当たりの教育投資額は約75万円ほどとなるため、かなり大規模な投資をしていることが分かります。
Microsoft
日本マイクロソフト株式会社は、就労支援に向けたデジタルスキルの習得支援施策「グローバル スキル イニシアチブ ジャパン (Global Skills Initiative-Japan)」を開始します。
この取り組みは、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) の影響で職を失った方々、新たにデジタルスキル取得を目指す方、新卒学生など幅広い層を対象に、IT スキルに加えて、関連するコミュニケーション スキルなどの習得を通して、現在、世界中で不足しているデジタル人材の育成への貢献を目指すものです。
日本企業の浸透度は?
日本企業に「リスキング」はどれくらい浸透しているのでしょうか。
ここからは、『月刊総務』が実施した「リスキリングに関する調査」についてお伝えします。
「リスキリング」とはなにか知っていますか?
「リスキリング」とはなにか知っているか尋ねたところ、「よく理解している」と「なんとなく理解している」が合わせて50.9%と、約半数がリスキリングを理解しているという結果になった(n=157)。
「リスキリング」に取り組んでいますか?
会社でリスキリングに取り組んでいるか尋ねたところ、「とても取り組んでいる」が2.5%、「やや取り組んでいる」が24.2%、「全く取り組んでいない」が73.2%という結果になりました(n=157)。
「リスキリング」に取り組む理由は?
リスキリングに取り組む理由について尋ねたところ、「業務効率化のため」が76.2%で最も多く、「デジタルリテラシーを底上げするため」と「イノベーションを起こすため」が52.4%と続いた(n=42/リスキリングに取り組んでいる企業)。
「リスキリング」一人当たりの年間予算は?
リスキリングの1人あたりの年間予算について尋ねたところ、「1万円未満」が35.7%で最多となった(n=42/リスキリングに取り組んでいる企業)。
今回の調査では、リスキリングの必要性を感じている方が多いものの、取り組みはなかなか進んでいないことが明らかになった。
※引用元
『月刊総務』|「リスキリングに関する調査」
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経済産業省|経済産業省の取組
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