こんにちは、アサヒコミュニケーションズです。
最近、NFTという言葉をよく耳にしませんか?
2021年には、日本の小学3年生の男の子が自由研究で制作したNFTアートが約240万円で購入されて話題となりました。しかし、聞いたことはあるけどNFTとは何なのか、何がスゴいのかはイマイチわからない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回はNFTについて、なぜ注目されているのか?事例と合わせてお伝えしたいと思います。
NFTとは?
NFTとは、「Non-Fungible Token」の略で、日本語にすると『非代替性トークン』となります。
非代替性とは、『替えが効かない』という意味です。トークンとは、『データや通貨、モノ、証明』などの意味があります。
NFTは、簡単に言えば『唯一無二であることの証明ができる技術』ということです。
例:非代替性があるもの
ピカソが描いた絵の「原画」
「直筆サイン入り」の本
「世界に一枚しかない」トレーディングカード
例:代替性があるもの
お金
市販品
フリー素材のイラスト
電子上の画像
NFTが注目される理由/できることは?
NFTが注目される理由/できることは大きく分けて3つあります。
①デジタル資産の所有者を明確にできるようになるから
②デジタル資産の希少性を担保できるから
③話題性が高く「投機商品」としても注目されているから
それでは、三つの理由について解説していきます。
①デジタル資産の所有者を明確にできるようになるから
NFTが出来る前は、以下の「所有者」を明確にするのが困難でした。
デジタルアート(オンライン上のイラスト・画像など)
ゲーム内のアイテム
マンガ
トレーディングカード
音楽
著作権は存在するものの、「自分がこの作品の唯一の所有者である」という証明はできず、コピーとの違いを明確にできなかったのです。
デジタルアートに紐づくNFTを発行すると、あなたが保有している唯一無二のデジタルアートであることが証明できるようになります。そのためNFTと紐づけられたアート作品は「NFTアート」と総称されています。
②デジタル資産の希少性を担保できるから
人は元来「希少性の高いモノ」に大きな価値を感じます。 金やプラチナ、高額なブランドもの、世界に数枚しかないトレカなどがいい例ですが、「珍しさ」は価値に繋がる大きな要因になります。
NFTは、この「希少性」という観点でも注目されています。 なぜなら、NFTを発行すれば世界にひとつしかないことの証明になるからです!
NFTを発行すれば「所有者の明確化」をすると同時に「希少性の担保」もできます。これがNTFが注目される第2の理由です。
③話題性が高く「投機商品」としても注目されているから
3つ目の理由は、本来のNFTの役割と少しずれてしまいますが、注目度が上がり「◯億円、◯千万円」など高額取引されるNFTアートが登場したからです。
高額販売された作品例
Cryptokitties(ゲーム):取引額:最高額の猫(ゲーム内キャラ)が約1400万円
ジャック・ドーシーの初ツイート取引額:291万5835ドル(約3億1640万円)
CryptoPunks(デジタルアート):取引額:1700万ドル(約18億5000万円)
Beeple「Everydays – The First 5000 Days 」:取引額:約6935万ドル(約75億円)
NFTの事例
NFTの大枠を理解していただいたところで、NFTの事例をご紹介していきます。
NFTがどんなものなのか、何ができるのかをイメージしやすくなると思います。
NFTの事例①|デジタルアート
2021年3月11日、デジタルアーティスト・BeepleによるNFTデジタルアートのコラージュが、オークションで6900万ドル(約75億円)の値を付けました。
これまでデジタルアートには、唯一無二の価値を保証することができませんでしたが、NFTによってデジタルアートの価値が一気に高まった事例となりました。
2021年12月18日まで行われたオークションにおいて、モザイクアートNFT「鉄腕アトム」が約5600万円で落札されました。日本発NFTの最高落札額となっています。
2021年11月10日、日本財団は子ども第三の居場所 新さいたま市拠点の子どもたちと一緒にワークショップ形式でアート作品を制作。子どもたちの作品をNFTとして販売。新しい寄付のカタチをメタバースではじめました。
NFTの事例②|ツイート
2021年3月22日、ツイッター創業者ジャック・ドーシー氏の15年前のツイッター初投稿がオークションにかけられ、3億円超の高値をつけました。NFTによってツイートのようなデジタル資産も競売できるという事例となりました。
NFTの事例③|スニーカー
世界のファッションブランドの間では今、「デジタルファッション」が注目を集めています。
例えばオンラインゲームなどの仮想空間で自分のアバターに着せる服や靴があり、「スキン」(着せ替えアイテム)と呼ばれています。
2021年12月13日、ナイキがNFTスニーカー企業を買収しました。
珍しいスキンは高額で取り引きされ最も希少なスキンは150イーサ(約5700万円)で落札されました。
NFTの事例④|トレーディングカード
引用元:日経トレンド
LINEは、NFTを活用したデジタル景品配布の実証実験を行っています。
2021年12月には、アサヒ飲料が期間限定でNFTトレカのプレゼントキャンペーンを実施し30万枚を超えるNFT景品を配布しました。
NFTの課題点・デメリット
法整備が整っていない
NFTのデメリットとして非常に大きいのが法整備が整っていないという点です。NFTは急速に発展を遂げた市場となっており、それに付随する法律の制定が追いついていないというのが現状です。
日本の法律ではデータのような無体物に対して所有権を認めていません。
そのため何かトラブルが起きた際に、NFTが持つ所有者の取り扱いをめぐって裁判が起きる可能性があります。
物理的な所有ができない
NFTはあくまでデータの一つに過ぎないため、物理的な所有ができないというデメリットがあります。NFTはアートなどでも利用されており、場合によってはこれは大きなデメリットとなることでしょう。
NFTの販売者は、利用者にどのように保有しているという実感を持ってもらえるか工夫する必要があります。
デジタルアートを鑑賞する際は、観賞用のモニターを用意する必要があります。そのため普通の絵のように飾ることはできません。
手数料が高騰しやすい
NFT発行は主にイーサリアムというブロックチェーン上で行われ、取引通貨もイーサリアム(ETH)が使われています。そして、NFTを売買する際には「ガス代」と呼ばれるネットワーク手数料がかかります。ガス代はイーサリアム上の取引が増えれば高騰し、減れば安くなります。
つまり、需要によって手数料が大きく変化してしまう可能性があるのです。
著作権侵害のリスク
NFTには著作侵害を助長するリスクがあります。これはブロックチェーンと著作権の所有者が異なることが原因となっています。
海外では明らかに著作権を侵害しているNFTコンテンツが配信され問題となっています。
NFTでは自身が著作権を所有していない場合でも、NFTを発行して販売することができます。著作権に関する問題はNFT市場が成長していくにつれて、無視できなくなっていくでしょう。速やかな法整備が求められます。
さいごに
ここまでお読みいただき、いかがでしたでしょうか?
NFTはデジタル作品に唯一無二の証明をすることで、希少的な価値を証明することができます。
NFTによって、コピーや偽物があふれていたデジタルの世界に、正真正銘の本物が存在できるようになりました。NFTはこれからのデジタル社会を大きく変化させる原動力となっていくでしょう。
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