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世界トップのフィンランド教育の特徴をご紹介!日本との教育の違いやメリットとは?





こんにちは、アサヒコミュニケーションズです。


長いコロナ禍を経て変化のあった分野は多岐に渡りますが、その中でも教育においては立ち止まることはできない、また、その場凌ぎもできない分野であることから、対応のスピードが求められたことと思います。


日本教育では、長年続いた大学入試センター試験が廃止され、より思考力・判断力・表現力が問われる大学入学共通テストが始まりました。

教育に関する話題の際に、海外の教育との違いが取り上げられることも多いですが、具体的にはどのような違いがあるのでしょうか。

今回は、世界でトップクラスの教育制度を持つフィンランドについて調べてみました。日本との教育の違いを比較してみたいと思います。



フィンランドの教育費は無償!その教育制度とは?

「世界幸福度ランキング」2021年も首位となり、4年連続首位(日本56位 ※前年62位)と大きな注目を集めるフィンランドですが、実施されている教育も世界的に高い評価を得ています。

世界的に高い評価、関心を集めるようになったのは、経済協力開発機構(OECD)で実施される学習到達度調査「PISA(Programme for International Student Assessment)」が大きく関わっています。

国際的に行われる本調査は、参加国の15歳児を対象に3分野(読解力・数学リテラシー・科学的リテラシー)を測定するものです。

フィンランドは2003年にそれぞれ1位・2位・1位(日本は14位.6位.2位)、2006年には2位・2位・1位(日本は15位.10位.6位)と上位を獲得しています。






元々は日本と同様「6・3・3・4制」ですが、現在は7~15歳(義務教育期間)の9年間を「基礎学校」として一貫教育でまとめています。日本の教育制度で考えると、小学校・中学校です。


義務教育終了の卒業後は、「高等学校」または「職業学校」へと進学します

「高等学校」は単位制であり、全単位を2~4年程かけて取得し進学希望の場合は、大学入学資格試験(Matriculation Examination)の合格が必要です。


また「職業学校」では、2~4年程で職業資格やプログラムなどの職業訓練を受けていきます。


さらに、フィンランドでは義務教育期間前の初等教育1年前からプレスクール(就学前教育学校)に通う制度もあり、エシコウルと呼ばれています。

エシコウルは、年長児(6歳児)を対象とした、小学校入学前の準備教育をする施設です。

保育園や小学校に併設されていることが多く、子どもたちが幼児教育から学校教育へスムーズに移行できるよう配慮されています。


高等学校は、大学のような単位制です。生徒は自分で学習計画を立て、3年ほどかけて必要単位を取得します。


職業高校では、学校や職場などで職業訓練を受け、就職に必要なさまざまな資格の取得を目指します。


フィンランドの大学では、学士課程と修士課程はいずれも学部の学位です。大学ではさらに、博士の前の学位である上級修士と、博士の学位が取得できます。一般的に、学士課程は3~4年間、修士課程は2年間です。


実践的な力を重視する応用科学大学(ポリテクニック)もあり、こちらは3~4年半かけて学習・実習を行い、学士号取得後に3年以上就労すると、修士課程への出願が認められます。


フィンランド教育の特徴

平等主義・格差のない教育

フィンランドでは、「国民の誰もが公平な教育機会を得られるべき」という理念のもと、就学前教育から大学院まで授業料を無償としています。

さらに、教材費用や給食費(世界初の無償化)、通学する上で欠かすことのできない交通費においても全てが無償です。

これによって家庭の環境や経済状況に影響されることなく、全ての子どもたちが教育を受けられる環境・権利が保証されています。

なおフィンランドにおいては、有料にはなりますが、親の就労状態に関わらず0歳から保育園に通うことが可能です。 また、各学校で優劣が生じないよう、均一のレベルを保つための制度も整えられています。 どのような経済状況でも、どの地域に住んでいても、子どもたちが平等な教育を受けられるように配慮されているのです。


優秀な教員による自律性の確保

フィンランドでは、学校の先生は人気の職業です。 大学の教育専攻に合格できるのは10~50%程度ともいわれており、教員は高度な教育を受けた専門家として尊重されています。 全国共通のカリキュラムはあるものの、学校の教員の裁量権は大きく、教員の自由な発想や計画で教え方を決めることができます。


「ボランティア追加基礎教育(Voluntary additional basic education)」が設置

フィンランドの教育システムは、学問の修了時期がとても柔軟な点にも特徴があります。 通常、基礎教育課程は9年間ですが、もう少し勉強をしたい、自分のキャリアについてもっと考えたいといった場合は、ボランティア追加基礎教育(Voluntary additional basic education)という「10年目」を追加できます。 ボランティア追加基礎教育は、留年のようなマイナスイメージではなく、学びの質を担保するためのセーフティネットであり、ポジティブなものとして受け止められているそうです。


少人数授業で一人ひとりに合わせた教育

基本的には16~25人ほどの少人数制で、教師が生徒全員をまんべんなく見れるようになっています。同じ数学の授業で同じ教室の中で勉強していても、一人ひとりやっていることは違う個人別指導です。教師は学力に差がある子どもたちを同時に教えます。できる生徒が苦手な子の手助けをすることもあります。このようにフィンランドの教育は、一人ひとりの子ども中心主義で落ちこぼれをつくらないということを大事にしているといえます。


基礎学校卒業で4ヶ国語が話せるように!

フィンランド語は他国と違う形態と文法を持っているため、基礎学校の低学年の内から徹底的にフィンランド語を学びます。1、2年生時に週の19時間授業でフィンランド語を学び、3年生になると最初に簡単な英語の歌を教え、英語を勉強します。英語文法を教える際には、フィンランド語の文法がわからないと英語の文法もわからないので、先にフィンランドの文法を理解させたうえで教えます。4年生からは、また新たな外国語のスウェーデン語やドイツ語を始め、基礎学校を卒業する時には母国語を含めて4つの言語を話せるようになります。

フィンランドは2018年の国際英語能力ランキングも8位と非常に高く(日本は49位)、多くの国民が英語を話せます。


成功したゆとり教育

フィンランドの年間授業日数は、約190日。日本よりも40日ほど少ない日数です。授業時間も小学1~3年生では半日ほどしかありません。宿題もほとんど出ないそうです。 他国と比べると学校で過ごす時間が短いため、子どもたちは脳を十分に休ませて、自由な時間を楽しむことができます。


クロスカリキュラム

フィンランドでは、「クロスカリキュラム」(複数の教科・科目を横断・総合した学習)を行っています。 実際の社会で起きる問題は、複合的な要因がからみあっているものです。各教科の内容を連携させて効果的に理解させるとともに、得た知識を組み合わせて問題解決のために使うことで、より実践的な学習が行えます。



読書、マインドマップ、プログラミングが読解力・思考力を鍛える。



読書

フィンランド人の読書への関心や読書量は、世界の中でもトップクラスといわれています。

図書館も非常に多く、1人当たり年21冊借りていると言われており、図書館利用率世界一という称号を得ています。

学校でも本を読むことを重視しています。自由時間も多いので、自発的に自分の興味のある本を選んで読む子どもたちが多いようです。

フィンランドでは「勉強する」という言葉は使わず、「本を読む」と表現するそうです。例えば、日本ではテスト前の勉強は暗記法になりますが、フィンランドではテスト前の勉強は本を読むことになります。

ほとんどの科目のテスト形式が記述式なため、テスト範囲のテーマに関して「知っていること」が前提になり、知識を詰め込むだけでなく、本から得た知識を生かして自分なりの考えを書くことを重視しています。しかも、テストに時間制限がないので時間を気にせずに作文が書けます。


マインドマップ

また、フィンランド教育ではマインドマップが積極的に取りれられています。 マインドマップとは、紙の中心に主題を書き、そこから放射状に線とキーワードを書いていく、思考プロセスを反映したノート術のことです。




プログラミング教育

フィンランドでは、2016年8月から義務教育内でプログラミング教育が必修となりました。

1~2年生では論理的な思考を、3~6年生では「scratch(スクラッチ)」を用いてプログラミングを学び、7~9年生ではプログラミング言語について学んでいきます。

「scratch(スクラッチ)」とは、子供向けの無料のプログラミング言語です。世界中で使用されており、自分自身で簡単にプログラムが作れます。

これらを活用することで、子どもたちは読解力や思考力を鍛えることができます。



フィンランド教育のデメリット・問題点

校則やルールがほとんどなく自由すぎる

フィンランドの学校は校則やルールがほとんどありません。 そのため、授業中におしゃべりをしたりスマートフォンを触ったりする生徒も中にはいます。 もちろん教師は都度注意をしますが、生徒の自主性にゆだねられている部分が多いため、厳しくしかることは少ないようです。


競争意識が低い

フィンランドの学校では16歳になるまで、全国統一テストがありません。 マイペースに勉強が進められるという点ではメリットですが、競争意識が育ちにくいという意味においては、デメリットともいえるかもしれません。


天才が生まれにくい

落ちこぼれを作らないことに重きを置いているカリキュラムのため、天才が生まれにくいともいわれています。 そのため、より高度な教育を求めて海外の大学を目指す学生も少なくないようです。


フィンランド教育の目標は?日本の公教育とフィンランド教育の違い

フィンランドの学力観の根底にあるのは、ロシアの心理学者、ヴィゴツキーが提唱した 社会構成主義(social constractivism)であるとされます。

教育における社会構成主義に基づいた学習とは、「生徒が先生の力を借りながら自分自身で問題解決に取り組む」ことを指し、フィンランド教育の目指す社会はここにあると言えます。


子ども中心の教育

日本では、義務教育中に留年することはほとんどありません。子どもが授業内容を理解できていなくても、学校に通ってさえいれば進級・卒業できます。 一方で、フィンランドでは義務教育のときに留年するのは珍しいことではありません。「わからない部分があるのならきちんと理解してから上の学年に上がった方がいい」と、留年は前向きにとらえられています。

「違い」「個」を大切にする

日本の教育においては、「集団行動ができる」ことを高く評価する傾向があります。 一方でフィンランド教育は、子どもたちの違いや個性を引き出し、伸ばすことに重きを置いているそうです。 美術や演劇、音楽といった「正解のない科目」を、フィンランド教育では大切にします。 子どもたちが自分の創造力を思う存分発揮して、それを互いに認め合うことで、豊かな個性を尊重できる人の育成に努めているのです。


フィンランドと日本との違いは、子ども中心の教育、個を重視した教育といったところにあるようです。

まとめ

今回は、フィンランド教育の制度と特徴、日本教育との違いについて紹介しました。


このフィンランド教育の例が全ての国にマッチするとは限らないですし、フィンランドもこの教育論自体成長過程であると言えると思います。

しかし学力や社会的能力においてフィンランド教育がある一定は成功していると言えそうです。

日本でもGIGAスクール構想が急発展し変わりつつありますが、まだまだ改革が必要である分野だと思います。未来の日本のためにも、更なる発展を期待したいです。


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