「買いすぎ」から「長く使う」へ。知っておきたい「グリーンフライデー」とは?
- アサヒコミュニケーションズ マーケティング
- 2 日前
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こんにちは、アサヒコミュニケーションズです!
11月に入り、小売業界では一年で最も盛り上がる大規模セール「ブラックフライデー」のシーズンが近づいてきました。消費マインドが高まる一方で、その過剰な消費や廃棄がもたらす環境負荷について、疑問を投げかける動きが世界的に広がっています。
それが、ブラックフライデーと同日(11月の第4金曜日)に開催される「グリーンフライデー(Green Friday)」です。
グリーンフライデーとは?
グリーンフライデーは、大量消費・大量廃棄を助長するブラックフライデーのあり方に対し、「持続可能な(サステナブルな)消費」を促す動きです。
「安さ」を理由に必要以上のものを購入するのではなく、
本当に必要なものだけを買う
今あるものを修理(リペア)して長く使う
新品ではなく中古品(リユース)を選ぶ
環境や社会に配慮した製品を選ぶ
といった、地球環境に配慮した賢明な消費行動を考えるきっかけとして、2015年頃からヨーロッパ(特にフランス)を中心に始まりました。
なぜ今、グリーンフライデーが注目されるのか
この兆候の背景には、深刻化する環境問題と、消費者の意識の変化があります。
1. 過剰消費による環境負荷 安価な製品の大量生産・大量消費は、大量の資源消費とCO2排出、そして大量の廃棄物を生み出します。特にアパレル業界の廃棄問題(売れ残りや短期間で捨てられる衣類)は、世界的に大きな社会課題となっています。
2. 消費者の意識変化 SDGs(持続可能な開発目標)の浸透に伴い、環境や社会問題の解決に貢献する製品・サービスを選ぶ「エシカル消費」への関心が世界的に高まっています。消費者は、単に安くて良いモノを求めるだけでなく、「その企業がどのような姿勢でモノづくりや販売を行っているか」を厳しく評価するようになっています。
グリーンフライデーの認知度

一方で、株式会社ホワイトプラスの「クリーニングとグリーンフライデーに関する意識調査」によると、この1年で「今あるものを長く使いたい」と感じるようになった人は36.1%と認知度としてまだまだのようです。

そして、その理由として最も多かったのは「物価高で、簡単に買い替えができなくなったから」(70.9%)でしたが、同時に「不要な買い物を減らしたい」(49.0%)や「廃棄や使い捨てを減らしたい」(23.6%)、「環境問題への意識が高まった」(16.1%)といった、価値観の変化もうかがえます。
まさに、経済的な理由と環境・社会への配慮の両面から、「安く買い替える」よりも「今あるものを手入れして長く使う」という考え方へシフトしていると言えるでしょう。
国内外の具体的な取り組み事例
グリーンフライデーの活動は多様化しており、日本でも賛同する企業が増えています。
1. 海外での主な活動
セール不参加の表明: あえてブラックフライデーのセールに参加せず、過剰な消費に加担しない姿勢を示します。
修理(リペア)の推進: 衣類や電化製品の修理ワークショップの開催や、修理サービスの割引を行います。
寄付活動: 期間中の売上の一部(例:1%)を、環境保護団体などに寄付します。
2. 日本国内の代表的な事例
● 株式会社メルカリ: 「新作ゼロ」のファッションショー フリマアプリ「メルカリ」は、「捨てるをへらす」循環型消費の実現を目指し、グリーンフライデープロジェクトを推進しています。 特に注目されるのが、すべて中古品(リユース品)やリメイク品で構成された「新作ゼロのサステナブルファッションショー」の開催です。 リユース・リペア・アップサイクルを活用したサステナブルなファッションの楽しみ方を提案し、「新品を買う」以外の選択肢を消費者に提示しています。
ご参考:メルカリ グリーンフライデープロジェクト ( https://jp-news.mercari.com/greenfriday2024/ ) ※こちらは2024年の事例紹介ページです。
● イケア・ジャパン株式会社: 家具の買い取りと再販 イケアは、サーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現に向け、グリーンフライデーの期間中に「家具買い取り価格の上乗せキャンペーン」などを実施しています。(※実施内容は年により異なります) 顧客から買い取ったイケアの家具は、メンテナンスを施した上で、各店舗の「サーキュラーマーケット(旧アウトレットコーナー)」にて手頃な価格で再販されます。 これにより、家具を廃棄することなく「第二の人生」を与え、資源を循環させる取り組みを強化しています。
ご参考:イケアのサーキュラーマーケット(家具買い取りサービス) ( https://www.ikea.com/jp/ja/circular/buy-back/ ) ※こちらは買い取りサービスの総合案内ページです。
まとめ
SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」にも深く関連するこうした動きは、消費者・企業を問わず、今後ますます重要になっていきそうです。
今週末のグリーンフライデーを、私たち自身の「消費」のあり方について、改めて考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
メルカリ グリーンフライデープロジェクト ( https://jp-news.mercari.com/greenfriday2024/ )
イケア家具買い取りサービス (https://www.ikea.com/jp/ja/circular/buy-back/)
